2020年6月3日 7:31 pm

校舎仕様の土地・建物を購入し事務所として賃貸する場合の家賃評価の依頼を受けました。

福祉系専門学校の閉鎖にともない校舎を買い受けた資産管理会社が、グループ会社に事務所として一棟貸しするので、適正な家賃(新規賃料)の算定が必要となりました。

評価の条件は、敷金・礼金は地域の相場で、建物内部の仕様変更はせず現状のまま使用することでした。

建物の登記情報では、鉄骨造3階建、延べ床面積1,500㎡。評価方針としては、土地・建物の価格に利回りを乗じ、必要経費を加算する方法と、周辺地域で成約した事務所の家賃の事例と比較して算定する方法を採用することにしました。

建物の内覧で気づいたことは、一般的な事務所と比較して廊下、階段、トイレの面積が非常に大きく、また、福祉系専門学校の校舎であったことから、実習目的の多目的トイレ、介護浴室、リハビリ用プールなどが設置され、加えて、各階に更衣室等の小規模な部屋が分散しており、事務所として有効に利用できない部分が多いことでした。

適正な家賃を評価するために、事務所として有効に利用できる部分、利用はできるが非効率な部分、まったく利用できない部分に分けて、標準的な事務所ビルと比較した効用の減価率算定に苦労しました。

依頼者においては、特殊な仕様を反映した家賃であり、建物延べ面積の割には家賃が低くなった鑑定結果については十分に納得していただきました。

Categorised in: